『女性が輝くことのできる時代』と提唱し、2020年までに女性の管理職を30%まであげたいと国を挙げて推進している今の時代、女性の社会進出は目覚ましいものがあります。
一方で20代の若者の完全失業率は年々低下し、新卒の就職内定率もリーマンショック以前の水準に戻りつつあります。
就活が難しく希望の会社に入れなかったからなのか、20代前半、新入社員の転職率も高くなっています。
「転職はもっと難しいのでは?」と思いがちですが、意外にも20代の転職事情は決して悪くはありません。
今回は20代の中でも「女性の転職」に絞ってみていきましょう。
20代女性の転職事情
学校を卒業し就職してから何年もたたないのにもう転職?と思われる方もいますが、実はある調査結果ではこんなデータが出ています。
女性の転職希望者の約80%は20代である
出典:http://doda.jp/guide/ranking/058.html
男性に比べて女性の方が、転職を考える年齢が断然早いですね。
そして20代の中でも特に24~25歳前後にピークを迎えます。
そこにはどんな理由が隠されているのでしょうか。
20代女性が転職動機
ここからは20代女性によくある、転職動機を見ていきましょう。
1.職場への違和感を覚えて転職
いざ就職してみたら想像した仕事・職場と違ったと感じる20代女性は決して少なくありません。
ここで20代女性が転職を考えた体験談を紹介しましょう。

A子さんは卒業してすぐに、とある企業の営業として働き始めました。社交的なA子さんは営業の仕事に向いており、やりがいを持って働いていました。
ただ一つ難を言うとすれば、営業という仕事の性質上、残業、休日出勤は当たり前であったこと。
最初のうちは若さも手伝って一生懸命働いていたA子さんでしたが、段々疲れが溜まってきて、精神的に不安定な状態に・・・。
給料や待遇に不満は無くても、忙しすぎて自分の時間を持つ余裕がないと、人は心が疲れていってしまいます。
A子さんは多少の迷いはありましたが、転職を決意することにしました。
A子さんのように、仕事自体は好きなのだけど休みが少なすぎて転職を考えるケースは意外に少なくありません。
「自分の時間が欲しい」と考えるのは、男女問わず最近の若者に多い特徴です。
仕事中心の生活を送って来た年配者からは「やる気が足りない」「こらえ性がない」と叱咤される事も多いでしょう。
しかしこれは決して悪い事ではありません。
近年大きく報道される事が多くなった過労死問題はもちろんのこと、誰しもが自分の人生を充実させるために働いています。
経済面であったり精神面であったり理由は様々ですが、仕事をするために生きているわけではありません。仕事をする事でより幸せな人生を送れるから働いているのです。

事務職として働くB子さん。
仕事の内容を教えてもらっているうちはそれほどではありませんでしたが、ちょっとでも間違うと「こんなこともできないの?」とパワハラまがいの扱いを受けはじめました。
まだ経験も浅い若輩者だからと我慢していると、上司の言動や態度は日に日にエスカレート。B子さんは毎日ビクビクしながら仕事するようになります。やがて毎朝「会社に行きたくない」と思うようになっていきました。
どこへ就職してもある程度人間関係は付きまとうものですが、耐えることだけが全てではありません。あまりにも環境が酷くストレスを抱え込みすぎると、心身共に病気になってしまいます。
B子さんは色々悩みましたが、病気になってしまえば健康を取り戻すのには時間がかかると思い、そうなる前にと転職を決意しました。
このように、やむを得ない状況に立たされて転職を決断する女性は少なくありません。
パワハラ問題は被害を受けている人一人の力で解決する事は難しく、会社に申し出たところで簡単には解決しないのが現状です。
人間関係のトラブルはどの会社に行ってもありがちな問題。安易に転職をしても転職先で同じ被害にあう可能性も。
そう思い転職を思い留まる人も多いですが、その事は頭に入れつつ転職を検討するのも大事です。
2.キャリアアップを目指したい
キャリアを積みたくて現職に就いたものの、理想とする仕事とは違う場合があります。
「もっとキャリアアップし年収をアップさせてバリバリ働きたい」
こういう理由で転職を考える方も多いです。
転職というとどうしてもネガティブなイメージがつきまといますが、昨今の転職動機は決してネガティブな物ばかりではありません。
終身雇用制が崩壊した現代、一つの会社にとらわれずキャリア形成を図る若者は増えてきています。
3.結婚や出産・育児を意識して
今働いている仕事には問題がないのですが、いざ結婚や出産・育児というライフイベントが起きた場合、残業が多い等、働きづらい環境であることが判明します。これは結婚を意識していないうちは中々気付けません。
しかしそのことにいち早く気付き、来たるべき時に備え早めの転職活動を行う女性もたくさんいらっしゃいます。
今すぐその予定がある訳ではないが、いつかは結婚し子供も産みたい。
そう考えている方は、会社の労働環境を今一度見つめ直し、
- 就業時間は?
- 産休や育休が取りやすいか?(実際に取った先輩はいるか)
- 産休・育休復帰後の働きやすさは?
- 頻繁に出張はあるか?
などをチェックしてみましょう。
20代で転職して仕事はあるの?
不況で仕事がないというイメージが先行していますが、そこまで選り好みしなければ仕事はあります。
特に若年者の方が転職しやすく、年齢的には20代で転職をした方が30代で転職するよりもずっと有利です。
以下は厚生労働省が発表している年齢ごとの入職率と離職率です。
出典:http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/14-2/kekka.html
20代前半と後半とでは企業の求める人材は微妙に違ってきますが、営業職やマーケティングや企画職、販売職に関してのニーズは高まっています。
特に営業職に関しては、女性の持つ細かい気配りや消費者に寄り添える目線や考え方を考慮し採用を決める企業も増えています。
またIT業界は、企業ニーズが高い割には常に人材不足に悩まされている業界です。
採用される確率が高い業界なので、スキルを持っている方はぜひチャレンジしてみましょう。
そして女性の社会進出を拡大させる為に必要な保育所や保育サービスを提供する保育業界も、常に人材不足に悩まされている業界です。
保育士のニーズは益々増加することでしょう。
保育士は資格が必要な職業ですが、今は通信講座でも保育士の資格を取る為に学ぶことができます。
大変な仕事ですがやりがいのある仕事でもありますので、ぜひ資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
今の社会、我慢して今の職場で働き続けるよりも、より自分にあった仕事を求めて転職する方が増えております。
ましてや20代はまだまだこれから、伸びしろと可能性を秘めており、方向転換も容易な年代でもあるのです。
かと言って、単に仕事が辛いからという逃げの理由だけで転職を考えてしまっては、次の職場でまた同じ目に合う可能性は高いです。
思い切って現状を打破し転職を成功させる為には、自分が何をしたいのかをよく知った上で転職活動をすることが大切なのです。