新卒者のほとんどは正社員として就職します。
就職活動は確かに楽ではありませんが、結果的にほとんどの人が正社員として働くことができます。
ですが、いざその会社を辞めて転職しようとした場合、正社員への転職は意外にハードルが高いということを思い知ります。
特に女性はせっかく正社員で就職しても、結婚や出産の為キャリア形成の途中で辞めざるを得ない状況になる機会が多いですよね。
育児休業制度がある職場なら良いのですが、正直なところワークライフバランスの整っていない会社が多く、そのまま働き続けることができないのが実状なのです。
女性が正社員へ転職するのは、やはり厳しいものなのでしょうか?
今回は正社員への転職について解説していきます。
正社員のメリットとデメリットを理解しよう
正社員になりたいと言う人は多いですが、正社員になるとどの様なメリットがあるのか深く考えた事はありますか?
まずはメリットとデメリットを明確にしておきましょう。
正社員のメリット
社会保険や厚生年金保険に加入できる
正社員として給料をもらうと、厚生年金保険料や健康保険料等の社会保険料が引かれていて、思ったより安い給料だとがっかりする人もいますよね。
しかしこれらの社会保険料は、半分会社側が負担してくれているのです。
自営業者は全額自己負担なので、そうでないことはかなりのメリットと言えるでしょう。
安定して働くことが出来る
会社が倒産したとか自ら犯罪を犯したりしない限り、安定して働くことが出来ます。
アルバイトや派遣などは業績が悪化すると首を切られる事も多いですが、正社員の場合はよほどの不祥事や怠慢をしない限り簡単にクビにはなりません。
賞与が支給される
大抵の企業では、夏と冬の年2回にボーナスが支給されます。
これが非正規雇用と比べて正規雇用の年収がアップする大きな要因になります。
月々の給与では貯金もままならないけど、ボーナスを全額貯金に宛てるので貯金できているという人も多いですよね。
昇給がある
正社員の場合は、実績などの評価に応じ昇給する機会があります。
また勤続年数に応じて給料が上がっていく、定期昇給制度のある企業も多いです。
確定申告をしなくてもよい
非正規雇用者や自営、自由業の場合は、年に一度確定申告をしなくてはならない制度があります。
確定申告をすることで、正しい税金額が支払われているか確認しなければいけないからです。
正社員の場合は殆どの場合、確定申告は会社側で行ってくれます。
そして過分に関しては年末調整で支払ったりしてくれるので、自分で行う手間を省いてくれます。
その他にも社会的信用を得ることが出来たり、各種手当がついたりと魅力的な制度が正社員には揃っております。
また女性正社員にとって嬉しいことに、育児休業制度が完備されている企業もあります。
正社員のデメリット
残業や休日出勤をしなければいけない
正社員になると簡単に休みをもらいにくくなります。
有休もありますが、取りにくい社風の会社も多々あります。
また、残業しなければいけない場合は、例えそれがサービス残業だとしてもこなさなければいけないのが現状です。
仕事の都合によっては、休日出勤を余儀なくされる時もあります。
異動・転勤がある
各地に支店や営業所がある場合は、定期的に異動や転勤を命じられることがあります。
正社員になると拒否することは難しいのが現状です。
若く独身のうちはまだ良いですが、結婚しマイホームを持った場合は単身赴任を選択せざるを得ない場合も。
また、マイホームがなくても、共働きの場合は夫婦が別々の地で働かなければいけない事もあります。
仕事に対しての責任が重い
正社員になると、重大な仕事を任されることが多くなってきます。
やりがいを持って仕事が出来る反面、プレッシャーを感じたり緊張する局面も増えていきます。
会社に重大な損害を与えた場合は、責任を取らされるケースもあります。
女性が正社員に転職するためのポイント

男性女性問わず、正社員に転職する場合に一番のネックになるのは年齢です。
20代~30代前半まではあまり気にすることなく転職活動をすることができますが、30代後半から先になると求人数や業種共に減ってきます。
正社員への転職がゼロになるわけではありませんが、転職を考えるなら30代半ばまでには決断したいですね。
年齢制限で特に多いのは「35歳以下」という条件。
出典:http://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=000063
この理由の大半は給与と将来性です。
企業の多くでは年齢ごとの給与が決められているので、若い人を雇った方が人件費を抑えられます。
さらに「あと何年勤められるか」という観点で見る事も多いので、若い方が重宝されます。同じスキルなら若い方の方が企業にとってはメリットがあるのです。
また、年上の部下は持ちたくないというのも企業側の本音であるようです。
年齢の条件はあくまで目安です。
と言っても大きな目安の一つですので、上限を超える場合はそれ相応のアピールポイントが必要になります。
同じスキルなら若い人が選ばれてしまいますので、年齢に見合ったスキルをアピールし即戦力である事を伝えましょう。

女性が転職活動をする時に注目されるのが、独身であるか否かです。
正社員は残業する機会が多く、拘束時間が短いとは言えませんので、既婚者は敬遠されがちです。
特に小さい子供がいる場合は、急な子供の病気などで休まれるリスクを危惧されます。
かと言って独身なら独身で、寿退社や育児休暇の心配をされたりもします。
結局どちらにしても危惧されるので、大事なのは独身なら独身としての、既婚者なら既婚者としてのアピールをすることです。
独身者のアピールポイント
- 残業は平気
- 転勤も大丈夫
- 結婚後も働き続けたい
- 出産後も働き続けたい
既婚者のアピールポイント
- 子供の面倒を見る先の確保が出来ている(実家の両親など)
- 今後出産の予定がないので長く続けられる
- 残業に関して夫の理解を得られている
どちらも企業側が心配する事を潰してあげればいいだけです。
この問題がクリアでき、かつ会社側が求めるキャリアを持ち合わせている場合は、正社員への転職も夢ではないでしょう。
転職体験談

前職では契約社員として働いていましたが、契約期間が満了となり退職せざるを得ない状況になってしまいました。
次は安定した職場で働きたいと思い、正社員を目指して転職活動を始めました。
最初はどんな業種でも構わないと思っていましたが、転職活動をしていく内に経験を活かせる仕事の方が有利だとわかり、前職と同業種・同職種の仕事を選ぶことにしました。
キャリアを積みながら正社員として長く働きたいと情熱を持って面接に臨んだことで、見事に内定を頂くことに成功しました。

前職で早期退職者を募集していたのをきっかけに転職活動へと臨みました。
30代後半での転職活動に不安はありましたが、これ以上年齢を重ねてからの転職活動はさらに厳しさを増すと思い始めました。
予想通り書類選考で何社か落とされ「ダメなのかな」と落ち込んだりしたものの、諦めずにチャレンジし続けました。
そして7社目にやっと事務職に内定をもらえることになりました。前職での実績を数値でアピールし、即戦力になれることを強調したのが功を奏したようです。
再就職だから、子育てがあるからと、ついつい遠慮がちになりやすい女性の正社員転職ですが、諦めてはそこで終わりです。
正社員は大変な部分もあるけれどメリットが沢山あります。
将来の足場固めも兼ねて、ぜひ正社員への転職にチャレンジしてみましょう!